22.難病の子供サマーキャンプボランティアから、そして体験記の出版に
私は、一日おきに4時間の透析を約18年続けていますが、これに要する医療費は、何と、月に平均約45万円程度かかっています。
しかし、これらの医療費は、全額国の保険料つまり、公費負担にて賄われていますので私たちには負担が及びません。
まてよ、そうだとすると、私が一年間透析を受けられるのに必要な医療費は何と540万円、10年間透析で長生きできたら5400万円、20年間なら、何と1億円以上の医療費が必要になるのに私は何も国や国民の皆様に恩返しをしていないのではないか、何と申し訳ないことかと自責の念にかられました。
とにかくできることから恩返しをしようと思い、最初にボランティアとして関わらせていただいたのが、平成4年8月22日から3泊4日で開催された「難病のこどもサマーキャンプがんばれ共和国」の地元開催責任者の仕事でした。
全国には、寝たきりの子供も含めて、当時約20万人の難病の子供たちが一生懸命がんばっているのを知り、この事務局本部の人とご縁ができたことをキッカケに、雄大な富士山麓の自然の中でのびのびとキャンプをさせようと立ち上がったのです。
医師や看護婦、介添え者、それにボランティアを含めると、総勢で500人にも達する人々を、富士山麓の自然施設に招致するために、透析の合間をぬって奔走しました。
その結果、地元のロータリークラブの皆さん方や、中小企業家同友会の社長さん方、そして、ボーイスカウトの皆様方、有志のお母さん方と、地域(富士宮市)挙げての応援をいただき、見事に成し遂げることができました。

この時の体験を、後日、順天堂大学講堂で開催されたシンポジウムで、秋篠宮殿下の前でご報告させていただいたことは忘れることができません。
お陰で、私が最初に成功させた、難病のこどもサマーキャンプは、その後も、毎年、全国5ケ所で開催され続け、一生懸命に病気と闘っている子供達に喜びと感動を与え続けています。
そんな社会へのほんの少しばかりのお手伝いをする中で、いつしか、私は、自分の体験を同じ病に悩む皆様方に役立つことができないかと真剣に考えるようになりました。
そして、その思いは、2005年12月15日に一冊の体験記として出版することになったのです。
それが、タイトル「あなただけは透析にさせたくない」であります。

この体験記は、1人でも自分と同じような透析になる人をなくしたいとの思いから本のタイトルにしましたが、一番私が伝えたかったことは、慢性化した腎臓病は、世界の医学界の技術をもってしても根治が困難な難病であることを多くの国民に知って欲しいということでした。
そのうえで、早期発見が何よりも大切で、その要は、食事療法であること、そして、医者の治療以外に大切な自己管理のあり方についても、病気を悪化させないためにも真剣に考えて欲しいということでした。
出版後、全国の同じ病気をお持ちの皆様方からお問い合わせやご相談が寄せられますが、中でも、この本に出会えてよかったと礼状をいただいた時が一番嬉しいです。
それは、自分の病気体験が役に立っているという喜びがあるからです。
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