8. 妻に苦労をかけながら、文句を言わずに必死に食事療法を
とにかく、やるしかないと妻も理解してくれ、二人三脚で食事療法が始りました。
食事療法の基本に従い、すべて口から入れる食べ物は、秤りで計量することにしました。
それに先立ち、前の晩から、朝・昼・晩の食事献立を先に準備、用意しておくことが日課になりましたが、そのうえで、一日、たんぱく質は30g、エネルギーは2200キロカロリー、塩分は、5g以内にという先生の指導内容に沿って、いよいよ私の23年に及ぶ食事療法が始ったのです。

当時を思い起こすと、何か必死で、新しいことを楽しんでいるような感じでしたが、今にして思うとそれは、料理献立を作る妻にとっても、それを毎回残さず食べきって食事療法を続ける自分にとっても、この病気が治るならとまるで二人の合言葉のようにさえなっていました。
そこで、私よりも、毎日、毎食、指定された食事処方箋に沿って献立を考え、食べさせてくれた妻の苦労を語ってみたいと思います。
先ずは、たんぱく質を30gに制限して、エネルギーを2200キロカロリーに確保しながらの食事療法がどれほど大変なことだったか解ってほしいです。
細かなことは省略しますが、とにかく、ご飯も、野菜も、副食も(肉、魚、乳製品、大豆製品等々のたんぱく質)そして、油脂類や糖類なども、すべて、食べる量がしっかりと決められてしまうのです。
特に、妻が献立を作るのに悩んでいたのが、たんぱく質を30gに制限すると、エネルギー不足が生じて、22200キロカロリーを維持できないというジレンマでした。
そこで、たんぱく質がゼロで、エネルギーがあるデンプン質の食材(春雨やくず粉など)を用いた献立を考え、エネルギー補給に努めたようです。
ともかく、来る日も来る日も、妻は、献立に縛られ、私は、妻が作った料理をまずくても全部食べるという食事療法が続いたのです。
辛かったこと、それは、宴会やパーティーなどで、皆と同じ料理を食べられないもどかしさ、いや、自分の病気をはっきり公言して、皆と同じように食べられないということを分かってもらった方がよいのか、それとも、自分の胸にしまっておいた方がよいのか、最初のうちは、いつも悩んでいました。
しかし、いつの間にか、宴会やパーティーなどの席につくと、自分から、このような病気で、皆さんと同じように食べたり、飲んだりできないので勘弁ねと言葉に出せるようになっていました。
我慢できなかったことと言えば、妻にもうこの料理飽きた、食べたくないと愚痴をこぼしたことがありましたが、妻に、食べないとどうなるのと諭されて、作る妻の気持ちを思いながら、何とか無理して飲み込んだこともありました。
それでも、こんな厳しい食事療法の中での唯一の楽しみは、月に1度か2度の外食をする時でした。
それは、先生から、月に1度か2度程度なら、外食しても、食べ過ぎや塩分の注意をすれば、今の齋藤さんの腎機能レベルには、大きく影響しないと言われていたので、とにかく、楽しくて仕方がありませんでした。(まるで、子供のように)

今なら、米から、うどん、そば、もち、インスタントの麺類などなど、食事療法に必要なすべての食品が開発されて、私は、これらの食品を専門に販売する仕事をすることになるなんてこれも運命なのでしょうかね~。
この当時の検査データ
| 腎機能の程度を表す血液検査項目 | |
| クレアチニン値(Cr) | 食事療法の成果で2.5程度に下がったり、3.3になったり |
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